部族少年は寝汗でずぶ濡れ

部族少年は寝汗でずぶ濡れ

本格的なエロシーンに入るには至れなかった日和見エルフ



R18につき閲覧注意なの!






 少数部族であるクオンツ族の里にやってきた人間、マヌルは、少年オニキスにとって受け入れがたい相手だった。世界の人族の大半を占める人間という種族は、クオンツ族を差別した末に小さな里に押し込めた一族全体にとっての敵のようなものだ。顔の横ではなく頭頂部付近から狐のような耳が生えているため、外見的にも人間とは違うものと見なされてしまう。この認識は逆もしかりで、オニキスにとって人間は憎むべき敵であり、信用に値しない別種だった。

 というのに、現族長のコハクは、闖入者である人間を手厚くもてなした。それだけでも腹立たしいというのに、先日の発言にオニキスはコハクの発狂を疑った。

「こやつに『白虎流ゴシン術』を教えてほしいと懇願されておるのじゃが……皆の賛同をいただけないだろうか?」

「クソッ」

 クオンツ族だけに伝わる戦闘法を教えるという提案が、条件付きとはいえ他の皆に受け入れられたことが、オニキスには不満だった。コハクは白虎流ゴシン術の師範でもあり、戦闘能力は群を抜いて高い。並みの人間であれば一ひねりできる彼女だが、一度里の中へ受け入れたマヌルを罠にかけて放り出すほど非情な人物ではない。マヌルに課した条件は、「里の外へ出て行ったクオンツ族、カルセドの捜索」。皆の前で話したときにはあてのない探し物のように言っていたが、マヌル出発直前にコハクが地図らしきものを渡していたのを、オニキスは見逃していなかった。

 成功する見込みのある頼み事をしたということは、マヌルは高確率で再び里へ戻ってくるということだ。コハクの出した条件を達成したうえでカルセドを連れ戻したマヌルは他の皆にも受け入れられ、白虎流ゴシン術の教授にも納得するだろう。そこまで思い至ると、オニキスは黙って待ってはいられなかった。食料を失敬し、軽く旅支度をすると、久しぶりの里の外へと駆け出していた。

 数日もしないうちにマヌルの背中を捉えることができたが、その迷いのない歩みにオニキスは内心で舌を打った。

「……やっぱり、目的地がわかってるのか」

 マヌルの後をつけながら、オニキスはつぶやく。マヌルはクオンツ族の里から姿を消したカルセドを探している。それでもコハクが居場所を把握しているということは、クオンツ族として生きることをやめたわけではないということだろう。

「ムカつくぜ……!」

 皆の兄貴分だったカルセドを連れ戻すという大役を果たすのが、人間であるマヌルであることが気に入らなかった。無論、里の外でクオンツ族であるオニキスが生身を晒していては、目立つばかりでカルセドを探して連れ戻す前に人間の手に落ちることになるだろう。それでも、感情として割り切れないものがあった。

「しまった……」

 尾行開始から数日後のことだった。オニキスは森の奥深くに入り込んでいくマヌルを見失った。オニキスが未だ踏み入ったことのない場所へ、マヌルが躊躇ない歩みで突き進んでいったのは、オニキスにとって驚愕すべきことだった。低ステータスの人間であるマヌルが迷わずに入り込むのだから安全なのだろう、と同じように森の中の道を進んだのが失敗だった。小型とはいえ獰猛な魔物の群れに追われ、大型かつ獰猛な魔物に追われ、いつしかオニキスは森の真ん中、道の一本も見当たらない場所へと迷い込んでいた。

「くそっ! どうなってんだよ!?」

焦燥感に駆られ、思わず声が出る。そのときだった。

「……誰だ? そこにいるのは」

背後からの声に、オニキスは心臓が止まるほどの衝撃を受けた。振り向くとそこには長身長髪、端正な顔つきの人物が立っていた。横に長く伸びた耳の形から、エルフであることがわかる。顔の造形と長髪から女かと見紛ったが、薄い唇の間から出てきたらしい低音が、そのエルフが男であることを示していた。

「うわああああぁぁぁあ!」

 それでも、オニキスが受けた衝撃の理由はそのどれとも関係がない。人間もしくはそれに類する他種族は、クオンツ族であるオニキスにとっては敵以外の何物でもなかった。直接戦闘力に長けているわけではないオニキスがこの状況に置かれて取れる手段はただ一つ、その場から逃げ出すことだけだった。

「ハァ、ハァ、捕まってたまるかよ」

 脇目も振らず走り切った報酬のように、木々の間からせせらぎの音が聞こえてきた。木漏れ日の強いほうへと進んでいくと、森が開けた場所に出ることができた。浅い川が流れていた。魔物やエルフとの遭遇と、長旅の消耗が遅れてオニキスの全身に襲い掛かる。ふらふらと河川敷へと歩み寄ったオニキスは流れの前に膝をつくと、這うようにして清流に頭をつけた。そのままガブガブと水を飲む。予想を裏切らない冷たさと弱い水流が、これまでの疲労ごと消し去っていくようだった。

「……ん?」

オニキスの視界の端に、何か動くものが映り込んだ。視線を向けると、それは小さな白い生き物だった。川の流れに身を任せ、気持ち良さそうに泳いでいる。

「なんだ、魚じゃねぇか」

安堵とともに、オニキスは小さく笑みをこぼした。水浴びに来たつもりだったが、食事にもできるなら一石二鳥だ。オニキスは服を脱ぎ捨てると、ゆっくりと泳ぎ始めた。

「はー、生き返るぜ……」

ひとしきり泳ぐと、オニキスは川岸に腰を下ろした。ひんやりとした川の水が火照った身体を冷やしていく。しばらくそのままでいたオニキスだったが、突然、腹の底から湧き上がってきた衝動を抑えきれず、立ち上がった。

「……冷やし過ぎたか?」

 脱いでいた服を着直すも、腹部の違和感は中々消えてくれなかった。それどころか、時とともに強まっていくようだった。

「うっ……ぐぅ……」

胃のあたりを押さえながら、オニキスはよろめくように歩き出した。マヌルの尾行に失敗した以上この場で時間を潰しても問題はなかったが、このまま河原にいてはいけないという漠然とした不安だけが、オニキスを突き動かしていた。思い出されるのは、先ほど出くわしたエルフの男だった。エルフは人間ではないが、クオンツ族よりも数が多いことと、人間の社会に受け入れられている点で心理的に大きな隔たりがある。価値観も人間社会に染まっていると仮定すれば、オニキスを捕えようとしていてもおかしくはなかった。

「大丈夫か?」

それだけに、腹を押さえながらも再び森へ戻ろうとするところに声をかけられた恐怖はひとしおだった。オニキスに声をかけたのは、先刻のエルフの男だった。いつの間にか河原にまで追いかけられていたことを、オニキスは気づいてもいなかった。

「アンタ、どうしてここに……」

「お前を追ってきたんだ」

オニキスの疑問に答えるかのように、男は言った。

オニキスは困惑していた。追ってきたにしては武器を向けてくることもなく、ただこちらのことを観察しているようだった。腹痛を抱えながらもオニキスは戦闘の構えをとる。

「野郎、何が目的だ」

「この先の川は危険だと教えてやろうと思って来たんだが、遅かったようだ」

「えっ」

 どういうことだ、と聞き返そうとしたところで腹痛の波が押し寄せ、オニキスはその場に膝をついてうずくまった。

「ううっ、痛ぇ……!」

脂汗を浮かべながらうめくオニキスの肩を支えながら、男が言う。

「やはりな……。川の魚は食べたか?」

「魚、は、食べてない。水は、飲んだ」

「それなら手の施しようはある。歩けるか?」

「なん、とか」

「ならばこっちだ。私のテントまで行くぞ」

男に連れられるままにオニキスは森の中を進んだ。歩いている間も腹痛の波は寄せては返し、痛みが強まるたびにオニキスは呻く。半ば意識を失い足を止めそうになるオニキスを、エルフの男はほとんど担ぐようにしてテントまで運んで行った。



「ここ、は……?」

 オニキスが意識を取り戻したのは、エルフのテントの中、寝床の上でのことだった。かけられた毛布を捲り体を起こすも、思い出したように腹痛が押し寄せる。苦悶の表情を浮かべるオニキスを、エルフの男が見つめていた。

「ここは私のテントだ。魔物は近づいてこないから安心して休んでいろ」

「そう、なのか」

「ああ。毒消しの方法なら職業柄心得ている。薬湯を作ってあるから飲むといい」

「俺をどうするつもりだ」

「どうもする気はない。職業柄、毒で苦しんでる相手をほっとけないだけだ」

「職業柄って……一体何なんだよ」

「薬師だ」

 最近里に現れた憎い人間のことを思い出した。オニキスは毛布を跳ね上げて立ち上がった。

「出る。世話になったな」

「おいおい、まだ解毒はできてないぞ。せめてこれだけでも飲んでいったらどうだ」

「いらねえよッ!」

 振り回した腕が、エルフの差し出していたビンをテントの外まで吹っ飛ばす。転がったビンの口から薬湯がこぼれ出たのが見えた。罪悪感に呼応したように腹痛がぶり返し、オニキスはその場に座り込んだ。

「ぐうぅ……」

「無理をするな。なんでこんなところに来たのかは知らんが、ゆっくり休んでいけ」

 再び寝床に寝かされたオニキスのもとに、落ちていたビンを携えてエルフが戻ってくる。透けて見える中身はビンの底付近に少し残っているだけだった。湧き上がる罪悪感をごまかすように、オニキスは言う。

「毒じゃねえだろうな?」

「確かに疑わしいか。なら私が飲もう」

 オニキスが答えないうちに、エルフはビンに口をつけ、中身を一気に飲み干した。男の喉仏が大きく動いたのを見て、おずおずと問う。

「本当に飲んじまったのかよ……」

「どうした、口移しで飲ませてほしかったか?」

 エルフの言葉にげっ、と舌を出す。そのそぶりを見てエルフは微笑んだ。

「冗談だ。それに、薬効については問題ない。”アトムスフィア”」

 エルフの上げた手が発光し、毛布の上からオニキスの腹あたりにかざされる。日光に暖められるような感覚とともに、腹痛が引いていくのを感じた。オニキスがエルフの顔を見ると、エルフは歯を見せて笑った。

「効いたようでなによりだ」

 完全に解毒が終わったわけではない、との言葉を一応信用することにしたオニキスは、寝床で毛布にくるまっていた。エルフの男はテントの中で何をするわけでもなく、気まぐれに持ち物の整理をしたり書物を読んだりしていた。

「暑いな」

 不意に立ち上がると、上着を脱ぎはじめた。露出している顔や腕に浮かんだ汗が、テントに吊り下げられたランプで照り映えている。上裸になったところで、オニキスの視線に気づき、照れたように笑う。

「毒味のためにちょっと飲んだだけなのにな……薬が効きすぎたようだ」

「あんたの薬、どんな薬効だったんだよ」

「鎮痛、無毒化、そして排出。発熱と発汗によって無毒化と排出を一気に済ませるつもりだったんだが」

言いながら、ズボンも脱いでしまう。下着姿になると、今度は腰に手を当て、ため息をついた。

「どうやら、代謝促進の効果が強すぎたらしい。汗が止まらないな」

「……風邪ひくぞ」

「心配してくれるのか? 大丈夫だ。この程度の暑さなら実験で慣れてる。それにだ」

「あっ!? オイ!」

 エルフが寝床のオニキスの毛布を剥がすと、むわっ、と湿気が噴き上がった。同じ薬効を受けたオニキスも、同じかそれ以上に汗をかいていた。毛布が湿気を吸っている以上、オニキスの衣服はすでに汗でずぶ濡れだった。

「汗をかいて風邪をひくのは水分が蒸発して体温を奪っていくからだ。お前こそこのままでいたら風邪ひくぞ」

「うるせえ! 脱げばいいんだろ脱げば!」

「そうしろ。私も着替えるから、ついでに洗ってやる」

「はあ……?」

「ほら、さっさと脱げ」

言うなり、エルフはオニキスの服を剥ごうとする。抵抗するが、オニキスの手足は萎えたようになっている。汗で張り付く衣服を脱ぐのにも苦労しているのを見かねたように、エルフはオニキスの動きを補助するようにして衣服を脱がせていった。着物じみた上着から、パーカーめいた服。ズボンの裾から足を抜いたとき、オニキスは解放されたような気分で息を吐いた。

「よく頑張ったな。発熱もあるから苦しいだろう」

手足に力が入らないのはそのせいか、とオニキスは納得したが、タオルを持ってエルフが近づいてくるのには思わず顔をしかめた。

「なんだその表情は」

「知らないおっさんに体拭かれる趣味はねえ!」

差し出された乾いたタオルを受け取り、濡れた体を拭いていく。力の入らない手足でも、目につくところを拭うのに苦労はなかった。あらかた拭き終えてタオルをエルフに返すと、今度はエルフが顔をしかめた。

「何か文句でもあんのか、おっさん」

「拭き方が足りん。汗を籠らせるのが一番よくないんだ、蒸れて痒くなれば余計な合併症が出かねん」

オニキスから受け取ったタオルを一振りすると、エルフはオニキスの片腕をつかんで丹念に拭いはじめた。肘の裏も、指の間も見逃さず拭いていく。下に着ていた薄いシャツを黙ったまま脱がすと、うっすらと毛の生えた脇を拭う。

「くすぐってえよおっさん」

「黙れ。薬の作用の結果とはいえ患者を放置はできん。……あと私はおっさんではない」

「うひひひ……くくく……」

脇の下を拭われる感触に身体を痙攣させながら、もう片腕もなすがままにする。完全に汗の拭われたほうの腕からは、不快感が去っている。時折くすぐられる感覚に悶えながらも、純粋な快適さを感じていた。その矢先だった。両腕を拭き終えたエルフは、オニキスの胴体を拭いにかかっていた。首筋をタオルで拭っているところ、タオルの余った部分が湿り気を帯びた乳首にかすった。

「ん”っ♡」

 思いがけない刺激に思わず声を漏らす。エルフは何も言わずに、今度は背筋をなぞるように拭いていく。背骨と肩甲骨の間にたまった汗を、汚れと一緒に拭い去っていく。

「んひいいいいっ♡?」

自分の手で触れられる、それも先ほど一応は拭いていたところを、他人であるエルフに触れられただけのことだった。それだけのことだというのに、オニキスは未体験の刺激を感じていた。

「悪い悪い。くすぐったかったか?」

エルフの男は申し訳なさそうに言ったが、オニキスは初めての感覚に返事をすることができなかった。身体の前側に再びまわって、エルフはオニキスの正面を拭き始めた。

「ん”っ、そこっ♡」

タオルの繊維ごしにエルフの指が触れ、既に知った感覚を再三味わうことになる。

「腹筋割れてるなぁ。若いと思ってたが侮れん」

「んひぃいいっ♡」

「私が若い頃はここまで鍛えては……」

「ふぅううううっ♡」

「くすぐったいだろうが我慢だ。よし終わり」

「えっ?」

「次は足だ。もうちょい耐えてくれ」

 エルフの男は、テントの床に座らせたオニキスの片足をとって足の指一本一本をしっかりと拭っていく。オニキスが身をよじるたびにテントが揺れたが、エルフは気にせず作業を続けていた。

「ほら、もう片方」

「ひゃいっ」

言われるままにもう一方の足をエルフに差し出す。オニキスはその間も、下半身から湧き上がる快感に必死に耐えていた。このままの流れでは、恐らくオニキスはパンツの中までエルフに見せることになる。発熱と発汗に襲われたことによる異常であることは理解できていたが、それは避けたい事態だった。オニキスの若い陰茎はこれまでになく勃起していた。

「もう少しで終わるからな。痒いところはありませんか~、なんつって」

「……ここ」

「ん?」

「ここがカユいから……拭いてくれっ」

 そう言いながら、オニキスは自らパンツを下した。ぶるんっ、と空を切る音とともに、オニキスの張り詰めたペニスがさらけ出された。皮の被った先端からは透明なカウパー液が垂れている。エルフの男は黙ってそれをタオルで拭った。

「んひいいっ♡」

オニキスは喘いだ。エルフの男が手を動かすたび、タオルの繊維がわずかに露出した敏感な亀頭を擦っていく。オニキスは腰を動かしてその感触から逃れようとしたが、男の手はしつこく追いかけてきた。タオルが動くたび、ぬちゃりと湿った音がした。

「そこじゃないっ♡もっと根元ぉっ♡」

「わかったよ」

「あおっ♡そこぉっ♡」

エルフの男の両手がオニキスの陰嚢を持ち上げるようにして揉みほぐす。べちょべちょに濡れたパンツを両足から引き抜くと、エルフはオニキスの身体をうつぶせにした。筋肉質ながらも幼さの残る曲線を描く尻肉と、その隙間から玉の汗が浮かぶ尻の穴が、エルフの視線に晒される。それを感じたオニキスは羞恥と興奮に腰を上げて前後にへこへこと動くことしかできなかった。

「尻を拭いていくぞ」

「んんっ、ぐぅうっ」

尻に刺激を感じることはまだない。ただ肉に浮かんだ汗を拭われていくだけの、機械的な作業に過ぎない。身を任せていたオニキスは、予告なく陰茎を掴まれたことに驚愕した。ほのかに生えそろった薄い陰毛ごと、勃起した陰茎を握られている。エルフという他人の手で握られたのは初めての経験で、その刺激と羞恥心だけでオニキスは射精に至った。

「ん”あ”ああぁあぁ♡」

びゅるっ♡びゅるるるっ♡

「撒き散らされると掃除が大変だからな」

 うつぶせにされたのはそのためかと思うか思わないかのうちに、仰向けに戻された。快楽の余韻から覚めないうちに顔を見られ、オニキスは赤面する。

「みっ、見るなっ♡」

「見てないよ」

「うう~~っ」

 明確に陰茎を握ってきたエルフが言う以上、見てないというのは嘘でしかない。それでもそう答えてくれたのが同性としての気遣いであることも明白で、オニキスは羞恥心のために自分の状態を忘れていた。解毒薬の薬効、代謝の促進によって出てくるのは、汗だけではなかった。降参した犬のように開脚したままで、ちぢんだペニスの先端から尿をほとばしらせる。

「ぁ、あ、あああああああ♡ぁぁああああああ♡」

ちょろろっ♡ちょろっ♡ぢょろろろろろろ……♡

「おしっこも出ちゃったか……」

「ごめんなさいっ♡ごめんなさいっ♡」

ぢょろろーーーっ♡ぴゅるっ♡ちょろろ……♡ぴちょん♡

ようやく止まった放尿の跡、テントの床にできた黄色い水たまりを見て、申し訳なさと情けなさにオニキスは涙を流した。エルフの男は何も言わず、オニキスの肩を抱いた。

「テントは洗えばいい。君の身体が健全である証さ、本当によかった」

「おれ、おっさんにひどいことばっかりしてる……」

「なあに、これからさ。どうせ経過観察の必要もあるしな。……ところで、君の名前は何と言うんだ? ずっと君ではやりにくい」

「オニキス。おっさんは……?」

「おっさんはやめてくれ。私の名は――」


おわり

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